限定カードと限定スト、しかもフルボイスの豪華仕様です!
去年は先生達の過去のお話でしたが、今年はどうなのでしょうか?
気になる4/1ストをネタバレでご紹介します。
解放期限が短かった為、解放し損ねた方にも必見です!
タイトルは『偽証罪/通行止めの天国』。全3話です。
夕暮れの保健室。
居眠り中の陣を起こす主人公。
起こされたことを不服がりつつも、ちょっとした要求を口にします。
冗談のつもりだったのに、素直にそれに従おうとする主人公に、かえって目が覚めてしまった。

どうやらお疲れの様子の陣。
慌ただしくなったガキどもの尻拭いで忙しいと零すも、それが自分の仕事。
日直の日誌を届けにきた主人公ですが、陣はあまり興味がない様子。
そこに書かれているのは、真実ばかりではないと分かっているから。
どうせ嘘なら目を通したところで時間の無駄だと言います。
そこに椚が現れて、働きすぎている主人公を軽く咎めます。
無理をし過ぎると、ころっと死ぬ、とはなかなかに重い言葉です。
説教を始めようとする椚を陣がさりげなく制し、ちょっとした口げんかのような展開に。
そもそも椚は、陣からの頼まれごとの件でやってきた。
古びたビデオテープを再生する方法を問うた陣のために、わざわざCD-R焼き直してくれたみたい。
昔のライバルから送りつけられたと聞き、脅迫の類かも知れないと気になった様子。
スーパーアイドルとして、陣にその意思がなくても、他人の人生を踏みにじってしまった。
そのせいで陣は恨みをかっている恐れがあると、踏んでのことみたい。

今更見るのが怖いと言い出す陣に、だったら目を瞑っていろと男前の椚。
そして、その手紙に添えられていた手紙には『嘘つき!』と記されていました。
お話は過去のシーンへ。
現役スーパーアイドルとしてステージに立つ陣。
ライブは大盛り上がりですが、不意に陣は、自分の兄が末期がんで亡くなったことを語ります。
兄との思い出を語り、大切な家族だったとちょっとしんみりモード。
そして、これから今歌う新曲は、そんな兄に向けたもの。
ラブソングに聞こえるかも知れないけど、今回は自分の我儘で、せめて天国にいる兄に届くように歌わせて欲しいと観客に語りかける陣。
観客はそれを受け入れて、歓声が沸きます。
感動的な一幕ですが、実はすべて仕事のうち。
身内の不幸すら商売の道具として利用していることに、強い罪悪感を抱く陣。
それが、事務所からの指示であり、ただの商品である自分に文句を言う資格はない。

やっぱり、医者になるべきだったと悔いる陣。
こんな詐欺師になるより、そのほうがずっとマシだった。
でも、ここで暗い顔はできない。
ステージの上にいる間は、いつものように、偶像めいた完璧な笑顔でいなければならない。
皮肉っぽいというか、感傷的になってしまうのは、やっぱり兄の死の影響が大きいみたい。
家族みんながアイドルなんかじゃなく、医者になれという中、兄だけは陣を応援してくれていた。
兄は、きっと天国にいくだろう。
けど、自分はきっと無理。
地獄で舌を引っこ抜かれるに決まっている。
でも、それでもう歌わなくていいのなら、それでもいい。
今の自分は、本当に『なりたい自分』なのか。
『スーパーアイドル佐賀美陣』は本当に自分なのか。
そう自問自答する陣でしたが、そこに邪魔だと椚が割り込んできます。
ボーっとしてるなら袖に引っ込んでいろ、と強気です。

どうやら、そろそろ椚達の出番のよう。
相変わらずの『あきやん』呼ぶに不服そうな椚。
椚はもう立派なアイドル。
未来のスーパーアイドルだと背中を押す陣でしたが、椚は自分はその位置には付けないと悟っているみたい。
時代は変わり、たった一人のスーパーアイドルが太陽のように君臨する昼の時代は終わり、無数の星々が煌めく薄暗い夜が始まる。
自分は、無数にある星の一つに過ぎないのだと椚は言います。
珍しく愚痴っぽい椚に、仲間との不仲を心配する陣ですが、椚にとっては同じユニットのメンバーは仲間でもなんでもない。
結局、陣が散々練習に付き合ってくれたのに、スーパーアイドルになれる器ではなかった自分を悔いる椚。
自分は嘘つきだ。
陣みたいなアイドルになると、若気の至りで散々言っていたのに。
ライブが終わった後、着替えもしないままレッスン室にこもる椚を訪ねる陣。
相変わらず真面目する椚に、そのうち体を壊すと釘を刺すも、そういう陣こそステージ衣装のまま。
どうやら着替える暇もなく取材などに駆り出されていたみたい。
情けなく、みんなが俺の睡眠時間を奪う〜と椚に泣き付く陣。
それは事務所と話し合うべきだと軽くあしらうも、どうやら事務所は本当にドクターストップがかかるまで休ませてくれない様子。
そんな過酷な状況にも関わらず、きっちり仕事をこなす陣を尊敬する反面、自分との差に落胆を隠せない椚。
アイドルなんてそんなにいいものではないと陣は言うも、椚とてモデルの経験が長く、その辺の泥臭さは理解しているつもりだった。
それど、やっぱり自分は甘かった。
テレビの向こうのアイドルは、神様みたいに見えていたはずなのに……。
けれど、それもあながち間違っていない。
アイドル商法は一種の宗教的なそれに似ている。
ソロで活躍する陣みたいなタイプは、ファンの女の子達に恋をさせる。
その証拠に、陣の持ち歌はほとんどがラブソングです。
それを聞いた女の子が、恋に落ちるような、そんな曲ばかり。
そうして恋に落ちたファンは客となり、大きなお金を落としていく。
ある意味水商売なのだと陣は語ります。

でも、それももう終わり。
こんな悪しき商法も廃れるだろう。
それだけが唯一の救い。
陣は間に合わなかった。
このまま詐欺師のまま終わるけど、椚は違う。
いつかきっと、アイドルというものが、陣達の夢見たキラキラ輝く存在になっていることを切に願います。
それまで例え嘘でも愛を叫び続ける。
男性アイドル業界は陣が支えている。
陣が折れれば終わり。
いつか訪れる未来も消えてしまう。
だから、それまでは意地でも踏ん張ってみせる。
それを椚にまで強制はしない。
嫌になったら止めていい。天国に行けなくなる前に。
アイドルなんて死んでまでやることじゃないと、陣は繰り返します。

でも、椚は死んだりしない。
陣が背負っているものの百分の一も背負っていないのに、それで潰れてしまっては余りにも情けない。
自分はそばに居て役に立つかは分からないけれど、それでも陣に付き合うと椚は笑います。
実際、陣は椚に救われている。
何かあったら相談しろ。
愚痴くらい聞くから。
だから、ずっと仲のいい友達でいようと、普通の高校生のようなこと口にします。
場面は現在へと戻ります。
映像を見てみたはいいものの、陣のライブ映像らしきものだとしか分からない様子。

本来ライブの撮影はルール違反。
けれど、そこに価値を見い出して高値で取引しようという輩は昔からいる。
しかも当時は、陣の歯ブラシまで取引されていたみたい。
陣はそのことを知らなかったようですが、陣の熱心なファンだった椚は知っていたみたい。
もちろん、買ってはいないけど。
それにしても、一体なぜわざわざこんなものを送りつけてきたのか。
しかも、添えられていた『嘘つき』の一言がどうにも引っかかる。
その時、陣はふと思い出します。このライブ映像は、当時TV番組でやたらと敵対させられていたアイドルと対戦した時のもの。
そのアイドルは落ち目で、事務所の意向で噛ませ犬として扱われていただけみたい。
憐れなポジションではあるものの、そのアイドル自体はとても真面目で情熱的だった。
でも、結局陣にこてんぱんに負け、悔しさのあまり泣いてしまったみたい。
きっと本気でアイドルをやっていた。
その本気の夢を、スーパーアイドル佐賀美陣が踏みにじってしまった。
その時、彼は言った。
自分の夢を継いで、ずっとアイドルの頂点にいてくれと。
陣はその迫力に恐れをなして、とりあえず分かったと安請け合いしてしまったみたい。
でも、結局はその約束を果たすことなく、さっさと引退してしまった。
だから、『嘘つき』。

だとしても、なぜ今更なのは疑問は残る。
陣が引退したのは、もう随分と昔のこと。
どうにか送り主を探して、電話でもしてみるか?と冗談めかす陣。
酒でも飲みながら思い出話ができるかも、と言うも、やっぱり逆恨みされていたら困ると弱気の様子。
怖くて寝れなくなる、という陣ですが、むしろ普段が寝過ぎなのでちょうどいいくらい。
訪れるかどうか分からない不安で悩むより、溜めている仕事を片付けろと容赦のない椚。
その場に一緒にいた転校生にも、今日はもう遅いからと声をかけ、車で送ってくれると言います。
過去は忘れていいものではないけれど、未来のほうがもっと大切。
自分達のくだらない話を聞くよりも、未来の芸能界を支える彼らを支えることのほうが大事。
むしろ、それが貴方の役目だと椚は言うのでした。
(完)